『横歩き』について考える

 

鉄拳4の新要素として取り入れられた『横歩き』

賛否両論ではあったのだが

私的にここで『横歩き』の功罪を列挙してみたい。

あくまでも『私的』ですので。

 

 

1.『横歩き』とは何ぞや

 

鉄拳4から取り入れられた『横歩き』

軸をズラすという行動は

ゲームの世界に幅を、奥行きを持たせる為になくてはならないものであろう。

横移動とは一線を画す3Dならではの醍醐味である・・・

はずなのだが、

『壁』と同じく賛否両論である。

そもそも、ガチンコ勝負大好きの私にとって、鉄拳3時代から

横移動はイヤなものというイメージしか持ち合わせていない。

事実、鉄拳3、鉄拳TAGと私の戦法に横移動の文字はなかった。

それ故に鉄拳4の横移動の台頭によって、ドツボに嵌る破目になってしまったのだ。

 

 

2.『横歩き』の罪

 

鉄拳4になって『横歩き』を取り入れた。

気をつけて頂きたいのは横移動と横歩きは全くの別物ということだ。

横移動のモーションは、

まず上半身を移動させ、後で下半身を移動させるのに対し

横歩きはその名の通りテクテクと横に歩いていくので

上半身と下半身が同時に軸をズラすのである。

 

これがいけない。

 

横移動は2段階で軸移動を完成させるので、上・中段の攻撃を避ける事は出来ても

下段攻撃に対してはヒットする事が多かったのだ。

しかし、『横歩き』だとワンアクションで軸移動が完了してしまうので

下段攻撃をも無効化してしまうという現象が発生してしまっている。

このおかげで相手が横移動するとわかっていても有効な手段が見つからず、

どうする事も出来ないままになる事が多くなってしまった。

しかも、全キャラ標準装備という事だが、

横移動が全く意味をなさないキャラも存在する始末。

呆れてモノも言えませんな、コリャ。

 

3.『罪』は『横歩き』のせいではない

 

とはいえ、横歩きがそんなに悪い事なのかといえばそうではない。

私的な意見になるのだが、鉄拳に限らず

格闘ゲームはジャンケンと同じであるべき

だと思っている。

 

グーはチョキに強く、パーに弱い。

チョキはパーに強く、グーに弱い。

パーはグーに強く、チョキに弱い。

 

それぞれの行動に対して強い技(行動)と弱い技(行動)があるからこそ

読み合いに熱いモノを感じる事が出来るのだ。

 

ここまで横移動がほとんどの技を無効化してしまうと

ジャンケンのバランスを大きく崩してしまう。

こうなると全キャラ標準装備で

横移動対策用の技を2〜3個は持ってないといけない。

しかし!!

残念な事に横移動対策の技を持つキャラは限られているのもまた事実。

仁とかブライアンなんかは回転系モーション通りの攻撃判定があるように思うのだが

他のキャラに関しては正直???である。

後掃燕舞とか雷光1発目なんてスッゲー横移動に対して強そうなのに、

実際はショボショボである。

後掃なんかはモーション通りに攻撃判定を持たせたら

右横移動した相手の足元を刈るハズである。

横移動は直進的な技に対しては強く、回転系の技に対しては弱くあるべきなのだ。

ここらへんを見てもnamcoの取って付けたような姿勢が見受けられてしまう。

 

4.結論 

 

『横歩き』は悪くない。

悪いのは『ゲームバランス調整』であり

『開発スタッフの贔屓』

である。

 

断じて許すまじ!!