決勝トーナメント参加者名簿(極秘)

鉄拳回顧録

 

俺の鉄拳人生の全てはここから始まった!

涙なしでは見れない感動の秘話をここに収録する。

 

1.鉄拳との出会い 2.人生が狂った瞬間 3.義務鉄拳 4.悪魔め! 5.戦い済んで・・・

 

 

1.鉄拳との出会い

俺が最初に鉄拳というゲームに出会ったのは、連れの家だった。

1995年の話なので、かれこれもう10年も前になろうとしている。

「面白いゲーム買ったから遊びに来るか?」

まさか、この一言が俺の人生を狂わせる事になろうとはその時は夢にも思わなかった。

そのゲームこそが「鉄拳」だったのである。

正直言って3D格闘ゲームってバーチャしか知らなかった俺は

あんなカクカクしたキャラなんか鬱陶しいだけと思っていた。

しかも、格闘ゲーはスト2全盛で弟のザンギにボコられていて

格闘ゲームそのものをしない人間だったのである。

しかし、ポリゴンの角が(当時にしては)目立たない綺麗なグラフィックと

動きの滑らかさと濃いキャラにシビれてしまったのだ。

そりゃあそうだろう。

バーチャは30フレ、鉄拳は60フレだったのだから。

最初のうちは見ているだけだったが、自分でも触ってみたくなった。

 

ここだけの話だが、俺が1番最初に使用したキャラはカズヤだったのだ。

触ってみたくなった瞬間はカズヤの旋蹴りだったのだ。

 

2.人生が狂った瞬間

カズヤの旋蹴りにシビれた俺は、

その友人に無理矢理PS本体とCD-ROM、スティックと勿論メモリーカードも借りて

家でじっくり堪能する事となった。

貸し出し期限は2週間。その時、連れはこう言った。

「本体とかCD-ROMはどうでもええけど、

メモリーカードのデータを消したらマジでコロス

と。

その時は連れの言っている意味が理解できなかったが

任せとけと軽〜く返事をしてPS本体、鉄拳、スティック、メモカを借りる事となった。

 

さあ、始めよう。

PSをTVに繋いで電源を入れてみると、メモリーカードの編集画面になった。

この時に何も考えずに最初から鉄拳のCD-ROMを入れておけば

悲惨な事故は起こらなかったのだが・・・。

 

まぁ、ぶっちゃけ

データを消しちまった訳だ^^;

 

こうなったら楽しむどころではない。

連れはコロスと言ったら本当にコロス奴だ。

オレハツレニコロサレル。

どうすればいい?

 

答えは1つ。

「2週間以内にデータを元の状態まで復元する」

それ以外に生き残る道は思いつかなかったのだ。

 

3.義務鉄拳

まずは何をするべきか。そうだ。攻略本を買おう。

そうして購入したのがソニーマガジンズの鉄拳コンプリートという本。

なるほど。キャラの技表や特性、デビルカズヤの出し方まで載っている。

最初に使用したキャラは、ロウだった。

理由は単純明快。ブルース・リーをモデルにしているからである。

胸に輝くの文字もかなりアツかったし。

 

そうして戦い始めるもなかなか勝てない。

その頃のロウはサマー系の技がほとんどなく、

スピンキックコンボか三連ハイキック主体、若しくは投げという

しゃがめば全てOKという戦い方しか出来なかったからである。

(上段、中段なんか考えなかったし^^;)

勝てるわけね〜な、コリャ。

 

と、いう訳で次に覚えたのが鉄拳の華

『10連コンボ』

である。

 

その当時の俺はまさに10連猿と呼ぶに相応しい猿っぷり!

何回コンティニューしようがお構いなし。中ボスをGETするのが先決である。

そうして中ボスをGETするとキャラを変え、また10連を覚え、

猿のように10連を繰り返していく・・・・・・。

そうして、全キャラの10連コンボを完璧に暗記したのである。

 

しかし、ノーコンティニューでクリアしなければヘイハチはGETできない。

そこで、自分に合った(気に入った)キャラを徹底的に練習する事にした。

 

メインキャラの選定基準は

まず、男キャラ

(自分の中では女性キャラを扱うのは有り得ない事なので)

そして爆発力があり

(この時点でロウ、リー、ワン、クニミツが姿を消す)

※この時、クニミツは性別不明でした。って言うか、男だったと思うけど・・・

難しいコマンドが無く

(ここでカズヤ、キング、アマキンがボツ)

動きが俊敏

(ここでジャック、P・ジャック、ガンリュウ、クマが敗退)

最後に、キャラがカブらない事。

(残念ながら最後にヨシミツが敗退)

 

こんな単純な理由で、使用キャラは

ポール・フェニックス

に決定した。

 

そこからはお決まりのコース。

崩拳、落葉、双飛天脚などの固有技を覚え、空中コンボを覚え始めた。

こうなったら坂を転がり落ちるのは時間の問題である。

というより、今思えば、もうこの時点で転がり落ちていたのだろう。

毎日7〜8時間の鉄拳タイム。

自分の身を守るために始めた義務鉄拳が、趣味の鉄拳に変化してきたのはこの頃からである。

 

今思うとアホくさい話なのだが

難易度設定やラウンド設定を変更すればもっと簡単だったのにねぇ。

まぁ、それまで全くと言っていいほどゲームには無縁の人間だったので、

仕方がないと言う事で。

 

4.悪魔め!

とりあえずヘイハチをGETする事に成功し、残るはデビルカズヤのみとなった。

そこで再度攻略本の出番である。

現在は影を潜めてますが、過去のnamco作品は

ロード時間を退屈させないために、過去の名作がミニゲームとして楽しめるようになっていた。

鉄拳の場合は、ギャラガである。

途中からスタートボタンを押せば鉄拳が出来るようになっているのだが

どうやらギャラガをクリアしなければデビルカズヤはGET出来ないらしい。

全部で8面あり、敵キャラの飛行ルートやクリアのコツが詳細に書かれている。

が、

全8面、一機も外しちゃダメなんですか?

そんなん出来るわけないじゃないですか!!

鉄拳と出会うまでは確かにシューティングは好きでしたよ。

 

好きと出来るは違うやろがッ!

 

・・・まぁ、命がかかってるし、やるしかないですな・・・

 

とにかくムカつきまくりです。

連射しているつもりが全然撃ててなかったり、最後の最後で逃してしまったり・・・。

そうこうしているうちに、約束の2週間が来てしまった。

勝利の女神は俺には微笑んでくれず、デビルの嘲笑が俺の脳裏に焼きつく。

審判の時はすぐそこまで来ている。

これを試練というのか、悪魔め!!

 

5.戦い済んで・・・

いよいよ審判の日、連れに借りていた鉄拳一式を返した。

今思えばこの時の俺はかなり挙動不審なヤツだったであろう。

しかし、俺の目には『覚悟を決めた漢の光』が宿っていたに違いないッ!

実にアッサリと許してくれたのだ。

いささか拍子抜けの感は否めないが、とにかく助かったという気持ちと

何とかしてデビルを使えるようにならなければという新たな責任感が生まれていた。

 

とはいえ、プレステの購入から始めなければならなかったので

結局は全キャラ使用可能のメモリーカードを連れに渡す事は叶わなかった。

今は己の力でデビルをGETし、いつでも渡せるようにはなっているのだが。

 

 

俺が未だに鉄拳を続けている理由は

鉄拳という素晴らしいゲームがあることを教えてくれた連れへの、

その大切なデータを消去してしまった事に対する懺悔なのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というのは真っ赤な嘘で

もう鉄拳にドップリ漬かり切ってしまったんですね。

こんな楽しいゲーム、何で辞めにゃイカンのよ。

 

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